セキュリティのセールストークで「脅威」を強調する時代から「信頼」を訴える時代へ――セキュリティ業界を俯瞰する上で興味深い記事があった(ITPro 3/1)。このことが意味するのは、既にセキュリティ対策が根付いてきた現在、新たに恐怖を煽っても投資を引き出すのは難しく、「信頼」で他社との差別化をはかることで利益を生み出す、というマーケティング手法にシフトしてきているということのようだ。裏を表に返しただけだが、どちらも広告の代表的な表現手法と言える。刺激的なコピーから信頼感を訴えるコピーへの変遷は、それだけ市場が成熟してきたことの表れでもあり、そうした点に注目して業界を眺めてみるのも面白い。
さて一方、まだまだ脅威を感じている、という調査結果も一つ。ガートナージャパンが2月28日に公開した「自治体におけるセキュリティ管理に関する懸念」というものがそれ。「情報セキュリティに関する職員の低い意識 60.7%」を筆頭に、マイナスのキーワードがずらりと並んでいるので、調査結果を一部抜粋してみよう。
過失による機密情報の漏洩・持ち出し・紛失
ネットワークへの不正アクセスや不正侵入
PCや記憶媒体の盗難・紛失
職員による情報システムの操作ミス
故意による機密情報の漏洩・持ち出し
自然災害
PCや記憶媒体の不用意な破棄
自治体が脅威に感じている項目はまだこれだけあるということで、「安心」「安全」「信頼」にはまだほど遠いのが現状。Winnyの事件一つ取ってみても、まだまだ脅威の認知の方が先と言わざるを得ない。