Winnyを巡る官民の動き:トピックス:セキュログ―セキュリティの最新動向
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(2006.03.18)
Winnyを巡る官民の動き

自衛隊に警察、と国家レベルの情報漏洩が相次いだ影響からか、今週はWinny対策の動きが相次いで公表された週だった。それらをまとめて振りかえってみたい。

<政府の動き>
内閣官房情報セキュリティセンターは、Antinnyの危険性を警告するリリースを発表、Winnyを使用しないよう呼びかけた(3/15)。
また、安倍官房長官もWinnyの不使用を呼びかける異例の記者会見(3/15)。国家機密が流出している事態を受け、相当の危機感を表現したものと見られ、極めて正常な反応だと思う。

私物PCの公務への使用が予想以上に多いことも明らかになっている。防衛庁は半数、警察では約4割と、それ以外の府省庁・自治体の0.1%を大きく上回っているという(毎日新聞 3/18)。陸上自衛隊は公用の3倍(約6万3千台)の私物PCが使用されているらしい。防衛庁では漏洩に対する職員の処分や管理責任者の明確化、所持品検査などの対策を検討しているらしいが、本当に必要なのはセキュリティ教育しかないと思うのだが。

警察も警視庁以外の県警は私物PCを公務使用しており、財政難により公用PCが配備されない厳しい現実も明らかになっている。もともと「仕事のデータを自宅に持ち帰らない」という内規はあるようだが、9つの県警ではさらに「ファイル交換ソフトを入れない」誓約書を職員に提出させたという。

<業界団体の動き>
業界団体Telecom-ISAC JapanはAntinny対策サイトを開設(3/15)。ISP3社と連携し、コンピュータソフトウエア著作権協会(ACCS)を攻撃するAntinny対策が主目的のようだが、感染ユーザに対してメールで注意を喚起し、ウイルス駆除実施の進行状況を把握できるという。対策サイトの体験版があるので見てみると、Winnyの危険性認知が中心で、駆除はトレンドマイクロとマイクロソフトの対策ページで実施させ、駆除が完了したら「完了」ボタンを押させるようになっている。これらから分かるように、このページは感染者のためのもので、駆除状況が分かるといってもユーザの意識に委ねられているため効果の程は謎だ。なんとなくきな臭い雰囲気が漂っている。

<ベンダの動き>
マイクロソフト社は「悪意のあるソフトウエアの削除ツール」のバージョン1.14を公開(3/15)。2005年1月の公開以来、毎月バージョンアップが繰り返され、現在では71種類のウイルスに対応、43種類のAntinny ワームも駆除できるようになった。また、Winny関連セキュリティ情報Webサイトも公開された。プレスリリースによると、これらの動きはTelecom-ISAC Japanの要請を受けたものであることが明かにされている。

ネットエージェント社はAntinny検知ソフトの無償配布を開始(ITPro 3/15)。

Klabセキュリティ社は個人情報スキャナー「P-Pointer 3.0」に自宅・個人PC用のライセンスを追加し、官公庁・自治体を対象に自宅PC用ライセンスを期間限定で無償付与開始(3/15)。P-Pointerは、PC内の個人情報を含むファイルを探し出すツールだ。

トレンドマイクロ社はWinnyのインストールをチェック、削除を行う「アドバンス検索ツール」をウイルスバスター コーポレートエディションの最新版(4月5日発売)に追加(IT Pro 3/16)。Winny対策に対する引き合いは強く、通常予算は取れなくても別予算で購入を検討するケースも多いという、気になる情報も。

<ISPの動き>
ぷららネットワークス社は、Winny通信の完全規制を決定(3/16)。


そして、Winnyによる情報流出事件も相次いでしまった。第一弾第二弾第三弾に続きWinny事件をまとめてみたい。

3/15全日本空輸(ANA)大阪乗務センター所属運行乗務員の自宅PCがWinnyウイルスに感染し、国内29空港の搭乗ゲートの暗証番号が流出
3/15TBSテレビ外部スタッフの個人PCがWinnyウイルスに感染し、バラエティ番組「スーパーからくりTV」に関する個人情報が流出
 3/9アルプス技研元社員の個人PCがWinnyウイルスに感染し、個人情報約1000件、取引先情報約660件などが流出
 3/8住友生命保険米子会社へ出向していた同社社員の自宅PCがWinnyウイルスに感染し、取引先情報約1300名分、職員情報約6600名分が流出
 3/8福岡県・嘉穂郵便局職員の自宅PCがWinnyウイルスに感染し、顧客情報が約140名分、職員情報約60名分が流出
 3/8NTT西日本社員の自宅PCがWinnyウイルスに感染し、NTT東西の顧客情報約240ユーザ分などが流出
 3/8愛媛県警巡査の個人PCがWinnyウイルスに感染し、捜査情報や被害者の個人情報6名分などが流出。後日、自動車ナンバー自動読み取り装置(Nシステム)で収集したナンバー情報が大量に流出していた疑いも。
 3/8岡山県警倉敷署巡査長の個人PCがWinnyウイルスに感染し、捜査資料や被害者らの個人情報約1500名分などが流出
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